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蔵王温泉街から車で下ること10分、高見屋が持つ歴史と文化の美術館わらべの里がある。私たち4人は帰りがてらこちらへ立ち寄ることにした。 こちらは、行在所、庄屋の蔵、古しえの家、雅の蔵、弥平治亭の5棟の歴史的建物が点在している。その中に極めて価値の高い品々が展示されている。 館主の説明を聞きながら、一棟一棟興味深く見て回ったら(Pさんのお義父さんが物知りで館主と話しが弾んだこともあり)2時間かかった! それほどに素晴らしい骨董品、美術品の数々だったのです。 蔵王温泉の歴史は西暦110年まで遡るとのこと。 こちらの美術館では当時の天皇からの賜りもの、江戸時代の各藩主が湯治に訪れた際に使われた道中道具や湯治具、食膳、などが展示されている。 特に漆の食膳、印籠、根付け、刀のツバの手仕事が素晴らしかった。 見えないところに手をかける、粋なお洒落だ。昔の人って趣味が良かったのね。 建物のひとつ明治天皇行在所は、今では値がつけられないほど貴重な木材を随所に使われ、欄間の精巧な細工などは気の遠くなるほどの時間をかけただろうとうかがえる。 この行在所は明治天皇が東北行幸の際に立ち寄る休憩所として10年の歳月と多大な財をかけて建てられた。 しかし、天皇が滞在したのはわずか30分足らずだったと。 その建築に人生をかけた若き久次郎さんは、天皇がいらっしゃる前に亡くなったそう。さぞ無念だっただろうに。 何代目かの主人が高見屋がもつ山に99本の杉を植えた。 それは、なんでも満たされすぎはいけません。という教え。 当時でも貴重とされた最高級の材を使った床柱に刀で傷を付けた。 前述の教えの意味と、それを修復できるよう精進して仕事に励みなさいという意味だと説明してもらった。 その傷は修復せず、教えとして残されている。 館内は撮影NGなので写真なしですが、すごい数の所蔵品。 これだけ歴史的文化的貴重な建物や品々、ここまでのものだったら通常は複製品を展示したり、年に1度だけ公開するといった形をとるのだそう。 今までにも研究家や大学教授らにさんざん忠告されたとのこと。 しかし、これらを持つ高見屋の先代からの意向で、ぜひ本物をお客様に間近で見ていただきたいと太っ腹の展示内容。 日本も物騒になってきた昨今、これらの展示物が見られなくなる日が近い? そうそう、今の蔵王スキー場は高見屋の裏庭だったそう。 地主兼旅館オーナーだったということ? ↑鋳物の金庫もすごいね。
by claudia8
| 2007-08-14 08:53
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